2014年12月15日月曜日

快眠のコツ その1 〜 睡眠と光








食事とならんで健康の要となるのが睡眠です。



つい最近、アメリカでCIAによるテロ容疑者に対する拷問の実態が明らかにされ話題となっていますが、その一つに眠らせない拷問というのも入っていたようです。この眠りをうばう拷問というのは、昔からどの国にもあるようで、とことんやると幻覚・幻聴に襲われ、最後には死に至ると言われています。




(ただし普通はいくら不眠といっても、そうなる前に必ず眠りに落ちるように体はできているので、不眠でお悩みの方はご心配なさらないでください。ちなみにギネスブックによる、普通の人が全く眠らずに過ごした最長記録は約11日だそうです。「私はもっと寝ていない」という方はギネス記録にチャレンジしてみるのも面白いかもしれません。)





「寝る子は育つ」と昔から言われますが、実際に科学的にも、眠っている間に放出されるメラトニンなどの睡眠物質により体の免疫作用が高まることや、成長ホルモンの働きにより成長の促進・体のあらゆる細胞の修復や再生・疲労の回復などが行われていることが分かっています。

(よく「睡眠をとることがお肌に大切」と女性が言うのも、この成長ホルモンの働きによるものです。)



また、夢は神様からのお告げという説もあれば、フロイトの様に潜在意識の願望を満たしているという説などもありますが、現代では、睡眠時に夢を見ることによって脳の記憶や情報が整理されている、という説が一般的になっているようです。

経験は全然ないけど体の勢いだけはある10代・20代ならいざ知らず、そこそこの歳になれば、きちんと眠らずに過ごした次の日の体のだるさや、集中力のなさ、イライラ感は誰もが経験したことがあることでしょう。



私たちにとって、よい睡眠をとることは、毎日を気持ちよく、すこやかに過ごしていく上で、決定的に大切な要素の一つです。






ということで、今回から眠りの質を高めるコツについて、3回くらいに分けて書いてゆきたいと思います。




まず今回はその1.「光」です。

「光」が私たちの睡眠のリズムや質に影響を与えているということを知っていたでしょうか?




私たちには体内時計と呼ばれるものが体に組み込まれていて、基本的には毎日自分が寝ている頃になると眠くなり、起きる頃になると目が覚めるように体ができています。


ただしこの体内時計は、地球の一日よりやや長い約25時間に設定されています。これはつまり、放っておくと毎日眠る時間は一時間ずつ遅くなっていって、今日の就寝時間が22時なら明日は23時、その次は0時…という風になっていくということです。

(このことは外界からの影響を全く受けない隔離された部屋での実験により証明されています。)





でもそれだと地球で暮らしていくには何かと不便なので、この体内時計は光をあびるとリセットされるように出来ています。それによって、私たちは基本的には24時ごとに、毎日決まった時間に眠くなるような体の構造になっていて、毎日の生活をリズムよく暮らせるようになっているわけです。





さて、この体内時計をよい方向に動かすためには、朝起きたらまず窓を開けて外の光を浴びることが大切です。朝の光を浴びることによって時計が調節されて、その15時間後に眠くなるように私たちの体はできています。


少し専門的になりますが、これは朝の光を浴びてから15時間後に、メラトニンというホルモンが脳から放出されるためで、このメラトニンこそが眠気を引き起こしてくれる物質です。またこのメラトニンには、どんなSODサプリよりも強力な抗酸化作用があり、免疫を高めてくれる力があると言われています。




なので、まず朝起きたら光を浴びましょう。






そして気をつけなければいけないのは、この体内時計は眠る前に光を浴びるとどんどん悪い方向にずれてゆき、また睡眠時に放出されるメラトニンの量が減ってしまうことです。


ここでいう光というのは、電気による光も含みます。特にPCや携帯の画面、テレビ、LED照明などはブルーライトを多く含み、このブルーライトは強烈に時計を狂わせることが知られています。(また、PCや携帯、テレビは脳を興奮させるので、そういう意味でも寝つきは当然悪くなります。)





それは、簡単にざっくり言うと、睡眠の質を高め、次の日の活力を得るためには、寝る前1~2時間は部屋を暗めにして、電子機器は使わないことが大切だ。ということです。

そして寝ている時は部屋は暗くしましょう。寝ている時にろうそく一本の明るさがあるだけでも、メラトニンの放出量が減ると言われています。



白熱灯はエコの観点からだんだん減りつつありますが、健康的な観点から言えば、少なくとも眠る前はLEDや蛍光灯ではなく、白熱灯の方がよいでしょう。






電気が発見される以前、私たちはごく自然に大きな自然のリズムと共に暮らしていて、昼は明るく、夜は暗いのが当たり前でした。


宇宙船から地球を撮った写真を見ると、夜でも光り輝いている部分があってそれはとても綺麗ですし、また光り輝く街の夜景は遠くから見るととても美しいです。電気のおかげで「便利」にくらせる様になったのは確かですが、その便利さと引き換えに私たちは多くのものを失ったのかもしれません。





それはさておき、

「寝ても寝ても疲れがとれない。」
「夜中に目が覚めてしまう。」
「ぜんぜん寝付けない。」


という方はまず光を意識してみてください。


朝の光を浴びること。夜は暗くして、電子機器をなるべく使わないこと。

が大切です。





次回は体温という観点から眠りについて書きたいと思います。


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